現場から「直しました」と報告が来ます。
直したところは、たしかに直っています。問題は、そこではありません。
一点を直すと、別のところが動く
私は先日、自分の制作物でこれを実測しました。
余白が広すぎる画像があったので、余白を削りました。削れました。ただし文字が細くなりました。次に、はみ出していた部分を直しました。収まりました。ただし別の要素が変わりました。
帳票でいえば、列幅を詰めたら文字が入りきらなくなり、それを直したら別の欄がずれた、という形です。
同じ1枚の画像を、4回続けて直しそこねました。しかも毎回、原因が違いました。
そして最後に、配置の仕組みを1本にまとめる変更を入れました。この変更は正しく動きました。ただし、その仕組みを使っている画面のほぼ全部で、要素の位置がずれました。丸1日、誰も気づきませんでした。
帳票でいえば「様式を1つに統一したら、全部署の帳票で項目の位置がずれた」という形です。
直した人は、直した場所を見る

直した人は、直した場所を見るからです。
これは注意力の問題ではありません。直すという行為の性質です。人は、変えたところが変わったかを確かめます。変えていないところが変わっていないかは、確かめません。
そして報告はこうなります。
「余白の件、修正しました。確認済みです」
嘘ではありません。余白は本当に直っていて、本当に確認されています。
完了の条件を、直す前に決める
私が入れた仕組みは1つだけです。
成果物の種類ごとに「同時に満たすべき条件」を1枚の表にして、どの修正のあとも全件を走らせる。
余白の修正なら、余白だけでなく、文字の太さ・はみ出し・色・寸法まで全部を見ます。1つ直したら、その表を全部通してから完了と言う。
私の場合、この表を作るのに1時間ほどかかりました。丸1日気づかなかった退行に比べれば、安いものでした。
現場に持ち込むとき

「全部確認して」と言うと、現場は困ります。何を確認すればいいのか分からないからです。
なので、言い方をこう変えます。
✕ 直したら全部見てください
◯ この成果物が同時に満たすべき条件を、先に一覧にしてください
一覧が先にあれば、確認は作業になります。無いまま「全部見て」と言うと、見た気になって終わります。
それでも漏れるとき
一覧を作っても漏れます。私も漏らしました。
そのときに効くのは、「前と比べる」という形です。直す前の状態を残しておき、直したあとと突き合わせる。変わってよい所だけが変わっているかを見ます。
私はこれを機械にやらせました。「変えてよい範囲」を先に宣言させ、実際の変更と突き合わせるという仕組みです。入れた直後に、宣言していない変更がまとまった数見つかりました。
まとめ
一点修正は、必ず他を壊します。壊れないのではなく、壊れたことに気づかないだけです。
だから完了の条件は、直す前に決めます。直したあとに決めると、直した場所の話しか出てきません。
- 成果物ごとに「同時に満たすべき条件」を1枚の表にする
- どの修正のあとも、その表を全件走らせる
- 一覧を作っても漏れるので、直す前の状態を残して突き合わせる
3つ目まで行けば、人の注意力に頼らずに済みます。
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