例外処理が9割で自動化できない|例外が多いのではなく、標準が無いだけ

企業でのAI活用

「うちは例外処理が9割なので、AIを入れても自動化できないんです」

現場を見てきた人ほど、この言い方になります。それでも、その前に1つ聞きます。

「その例外は、何種類ありますか」

聞くと、たいてい答えが出てきません。誰も数えたことがないからです。

「9割が例外」は、件数ではなく感触です。印象に残るのは例外の処理をした日で、そのまま通った日は記憶に残りません。

数えるのは難しくありません。直近1か月の処理を、そのまま通ったものと、手を止めたものに分けるだけです。

私が見た範囲では、手を止めたのは2〜3割でした。しかもその中身は、上位3パターンで半分を超えていました。

例外が9割あるのではなく、標準が1割しか無い

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ここで話が入れ替わります。

✕  例外が9割ある      →  自動化できない
◯  標準が決まっていない →  ★何が例外かも決まっていない

標準が無いと、全部が判断になります。判断が要るものは、担当者の頭の中でしか処理できません。だから9割が例外に見えます。

⚠️ ここでAIを入れると、判断をAIが代わりにやることになります。速くはなりますが、なぜその判断になったかを誰も説明できない状態が残ります。後で間違いが見つかったとき、直す場所がありません。

例外を3つに仕分ける

数え終わったら、多い順に並べて、上から仕分けます。

例外の正体 やること
実は例外ではない(毎月来ているのに手順書に無いだけ) 標準に入れる。いちばん多い
前の工程が原因(不備のまま回ってくる) 前の工程で止める。こちらで直さない
本当の例外(年に数回・毎回違う) 人がやる。自動化しない

①がいちばん多いところです。毎月来ているのに、手順書に書かれていないので毎回「例外」として扱われています。書き足せば、その日から標準です。

⚠️ ②を自分の工程で吸収し続けると、前の工程は不備に気づけません。親切のつもりが、原因を隠しています。

それでもAIが効く場面

仕分けの、最初の1回です。

過去の処理履歴やメールのやりとりを数百件AIに読ませると、手を止めた理由が何種類あるかが出てきます。人が1か月ぶんを目で追うより速く、しかも印象ではなく件数で並びます。

例外を処理させるのではなく、例外を数えさせる。順番が逆になるだけで、残るものが変わります。

③を減らそうとしない

③を減らそうとしない

本当の例外は残していいものです。年に数回のものを自動化しても、次に来るときには前提が変わっています。

③に手をかけるほど、①を標準に入れる時間が無くなります。件数で見れば、効くのは①です。

火曜に、1つだけ

いちばん「例外が多い」と言われている業務を1つ選んで、担当の人に聞いてください。

「先月、手を止めたのは何件で、理由は何種類でしたか」

その場で答えが出なければ、数えたことがないということです。まず1か月ぶんを正の字で数える。それだけで、上位3つが見えます。

次回

次は、速くしたら後工程が詰まったという話です。一か所だけ速くすると、詰まる場所が移動するだけであることが大半です。


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