会議室の設備更新のメモを、社内の稟議書の形に整える作業を、Word の Copilot に頼んでみました。
Word の Copilot に頼む前に、やっておくことが1つあります。過去の良い稟議書を1本、見本として付けることです。
(この記事の資料は、架空の会社の稟議書とメモです。Microsoft 365 Copilot の Word(ブラウザ版)で試した結果を書いています。画面や返答の文面は、更新で変わることがあります)
材料は、見本の稟議書1本とメモ1つ
見本は、過去の稟議書の PDF です。構成は次のとおりです。
・表題
・稟議番号、起案日
・表(件名/起案部門/取引先/金額/決裁区分/添付資料)
・本文の4つの節(1.起案の理由 2.実施内容 3.選定理由 4.予算)
・決裁欄(社長/管理本部長/部長/起案者)
書き出しは「標記の件につき、下記のとおり実施したく、ご決裁をお願いいたします」です。
メモは、箇条書きです。
本部の会議室3室(大会議室・第1・第2)のWeb会議設備を更新したい。
・現行機は2019年導入。メーカーの保守が2026年12月で終わる
・音声が途切れるという苦情が月5件ほど来ている
・見積は2社。サンプル映像システム株式会社 1,980,000円(税抜)、サンプル通信株式会社 2,350,000円(税抜)
・安い方に頼みたい。工事は土日に2日。12月上旬に入れたい
・費用は情報システム部の予算から
このメモに書いていない項目が4つあります。稟議番号、起案日、起案部門、決裁区分です。
見本は「/」で付けて、頼む文は1つ
新しい白紙の Word を開くと、上に「Copilot を使用して下書き」の欄が出ます。ここで / を打つと、OneDrive のファイルが選べます。見本の PDF を選ぶと、入力欄にそのファイルが入ります。
続けて、次の文を打ちます。
と同じ構成・言い回しで、次のメモから新しい稟議書の下書きを作って。メモ:
この後ろに、先ほどのメモを全文貼ります。
項目も4つの節も言い回しも、見本どおりに出る

約50秒で、下書きが出ました。表題、項目の表、4つの節、決裁欄が、見本と同じです。書き出しも「標記の件につき、下記のとおり実施したく、ご決裁をお願いいたします」で、見本のままでした。
返答には「参照の稟議書と同じ基本項目・4節構成とし、言い回しを踏襲」とありました。金額、取引先、2社の見積は、メモのとおり正しく入っています。
頼む文に、項目名も節の並びも決裁欄も書いていません。付けたのは、見本のファイルと「と同じ構成・言い回しで」の一言です。
空欄を埋めて、足された1文を消す
メモに無い4つの項目は、今回は作り足されず、空けて返ってきました。
| 項目 | 下書きの表示 |
|---|---|
| 稟議番号 | [未採番] |
| 起案日 | [要記入] |
| 起案部門 | [要確認] |
| 決裁区分 | [要確認] |
空欄を埋めるほかに、人が直すのは次の2か所でした。
1つ目は、選定理由に足された、メモに無い1文です。「仕様・工事範囲・保守条件の同等性については、発注前に確認いたします」。メモに無い約束なので、消します。2つ目は、決裁欄の2行目が2ページ目にはみ出したレイアウトの1か所です。
金額と見積は、メモと突き合わせて確かめます。
見本を付けないと、会社の書式にならない

比べるために、別の白紙の Word で、見本も「と同じ構成・言い回しで」の一言も付けずに、同じメモで頼みました。
次のメモから稟議書の下書きを作って。メモ:
約60秒で「稟議書(下書き)」が出ました。節は5つ(1.申請内容 2.更新の背景・必要性 3.見積比較・発注先の選定理由 4.費用・予算 5.実施日程)で、2ページです。2社の比較表がつき、差額は370,000円と出ています。書き出しは「承認をお願いいたします」でした。
中身は整っています。一方、稟議番号、決裁区分、決裁欄がありません。会社の書式ではないので、そのまま出せず、見本の書式に移し替える手間が残ります。
2つの頼み方の違いは、見本と「と同じ構成・言い回しで」の一言を付けたかどうかです。
見本は、中身を読める文書にする
スキャンしただけの PDF は読めません。文字を読める PDF か Word を、見本にします。
メモに無いことは、人が読んで確かめる
メモに無い4つの項目は、今回は空けて返ってきました。一方、本文には、メモに無い1文が足されていました。
空欄を埋めるのも、足された1文を確かめるのも、人です。
今日、1つだけやる
社内で「この形」と言える過去の稟議書を、1本選んでください。
OneDrive に置いて、/ で付けて頼むのは、その次の一歩です。
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