7つの軸のうち、研修で確実に伸びる軸が1本だけあります。
今日はその軸、ツールの技術の話です。そして、だからこそ起きている問題の話でもあります。

研修は、ちゃんと成功しています
AI研修をやると、参加者は実際に使えるようになります。プロンプトの書き方を知り、その場で動くものを作ります。アンケートの満足度も高い。
研修は失敗していません。
問題は、その3か月後です。
「研修は良かったんですけど、業務では使っていないですね」
作れるようになったのに、残っていない。これが、この軸だけを伸ばしたときに起きることです。
なぜ、ここだけが伸びるのか
理由は単純で、この軸だけが、一人で完結するからです。
| 軸 | 一人でできるか |
|---|---|
| ① 共通言語 | ✕ 相手が要る |
| ② 業務の言語化 | △ 自分の業務なら |
| ③ 改善の型 | △ 部署の合意が要る |
| ④ ツールの技術 | ◯ 一人でできる |
| ⑤ 推進体制 | ✕ 権限が要る |
| ⑥ ガバナンス | ✕ 決める人が要る |
| ⑦ 横展開・自走 | ✕ 渡す相手が要る |
研修は、一人でできることしか教えられません。会議室に集めて、その場で完結する形にする必要があるからです。
だから、④だけが伸びます。そして④が伸びると、「AI活用が進んでいる」ように見えます。⚠️ 見えるだけで、他の6本は動いていません。
「プロンプトが上手い」は、この軸の話ではありません
意外に思われるかもしれません。
プロンプトの工夫は、1回の出力を良くする技術です。大事ですが、業務で効くかは別です。
この軸で見ているのは、こちらです。
明日の業務で、動き続けるか
- 誰かに聞かなくても、また使えるか
- 入力が少し変わっても、壊れないか
- 使わない日が2週間あっても、戻ってこられるか
1回すごい出力が出たかどうかは、見ていません。続くかどうかを見ています。
いま、どの段階にいるか
| 段階 | この軸では | |
|---|---|---|
| 0 | 無い | 触ったことがない |
| 1 | 知っている | 何ができるかは知っている |
| 2 | できる(支援あり) | 手順書があれば作れる |
| 3 | できる(自力) | 業務で動くものを、一人で作れる |
| 4 | 人に渡せる | 他の人が使い続けられる形で渡せる |
3と4のあいだに、大きな崖があります。
段階3の人は、社内にたくさんいます。問題は、その人が異動したときです。動いているものは残りますが、直せる人がいなくなります。そして、少し壊れた時点で誰も使わなくなります。
⚠️ これは技術力の話ではありません。渡すことを最初から考えて作ったかどうかの話です。
最初の一歩
1つだけ、来週も使うものを作ってください。
条件は1つです。来週使わなかったら、捨てる。
⚠️ 捨てることを最初に決めるのが肝です。「せっかく作ったから」で残すと、使われないものが社内に溜まります。それが次の人の判断を鈍らせます。
3か月後に手元に残っているものが、この軸での実力です。研修の受講証ではありません。
ここまでが土台と技術の4本でした。次回からは外側——⑤推進体制・⑥ガバナンス・⑦横展開に入ります。
ここから先が、担当者一人では動かせない領域です。
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