承認が多すぎる会社で起きること|5段階あるのは、誰が決めましたか

企業でのAI活用

「申請の承認を、AIが内容をチェックして自動で回せるようにしました」

速くなります。それでも、その前に1つ聞くことがあります。

「5段階目の方は、何を見て判断していますか」

現場で聞くと、だいたいこう返ってきます。

「……4段階目が承認しているか、ですね」

それは判断ではなく、確認です。

判断していない人がいる列は、列であって承認ではありません。そこを速くしても、判断していない時間が速くなるだけです。

なぜ5段階あるのか、遡ってみる

なぜ5段階あるのか、遡ってみる
なぜ5段階あるのか        → 決裁規程にそう書いてある
なぜ規程にそう書いたのか  → 昔、事故があったから
その事故は、いまも起きるか → …(ここで、たいてい答えが止まります)

答えが止まったところが、変えられる場所です。

多くの場合、その事故は別の仕組みで既に防がれています。システムが入力を弾く、二重登録ができない、金額上限が設定されている。規程だけが当時のまま残っています。

⚠️ 規程を作った人は、たいていもう異動しています。だから誰も「これ要りますか」と言えません。悪意ではなく、聞ける相手がいないだけです。

減らし方は3つあります

やり方 効き方
段数を減らす 金額や影響範囲で分ける。少額は2段階に
順次をやめる 5人が同時に見る。1週間が1日になります
判断していない人を外す 「前の人が承認したか」しか見ていない人

①と③は規程を触る必要がありますが、②は運用だけで変えられます。手をつけるなら②が先です。

それでもAIが要る場面はあります

それでもAIが要る場面はあります

判断の中身が複雑で、人によってばらつくときです。過去の承認・却下の理由をAIに整理させると、基準が言葉になります。

⚠️ ただし、基準が言葉になった時点で、承認は不要になることが多いです。基準がはっきりすれば、申請の画面で弾けばいいからです。

AIで承認を速くするのではなく、AIで基準を言葉にして、承認そのものを減らす。こちらのほうが効きます。

月曜に、1つだけ

いま5段階ある承認を1つ選んで、最後の人に直接聞いてください。

「これ、何を見て判断されていますか」

⚠️ 責める聞き方にしないでください。その人が悪いのではなく、その席が残っているだけです。

次回

次は、会議の議事録をAIで要約する話です。要約する前に、その会議自体が要るかを見ます。


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