そのレポート、誰が読んでいますか|業務改善とAI②

企業でのAI活用

前回は、10回の転記をAIで自動化した話でした。今回はこれです。

「毎週の定例レポート、AIで自動生成できるようにしました。3時間が10分になりました」

立派な成果です。ただ、その前に聞くことがあります。

「読んでいますか」と聞いても、答えは分かりません

全員が「見ています」と答えます。嘘ではありません。開いてはいるからです。

だから、数字で聞きます。

「先月、そのレポートについて、質問や指摘は何件ありましたか」

ゼロ件なら、読まれていません。

数字で聞くと、その場で答えが出ます。「見ていますか」は主観ですが、「何件ありましたか」は事実だからです。

読まれていないものを速くしても

読まれていないものを速くしても

速く捨てられるだけです。

3時間が10分になったのは事実です。しかしその10分も要りません。ゼロにできるものを、10分に減らして満足するのが、いちばんもったいない使い方です。

やること この例だと
やめる レポートを廃止 → 0分
減らす 週次を月次に、宛先を3人に → 40分
自動化する AIで生成 → 10分

③から入ると、①と②が検討されません。自動化してしまうと、もう誰も「これ要りますか」と言い出せなくなるからです。手間が消えた瞬間に、疑う理由も消えます。

止めるのが怖いときは、1か月だけ止める

止めるのが怖いときは、1か月だけ止める

「止めると怒られそう」——ここで止まる会社がとても多いです。

廃止を決めなくていいので、1か月だけ出すのをやめてください。そして誰が何を言ってくるかを見ます。

  • 誰も何も言わない → 要りませんでした
  • 1人が「あれ来てないけど」と言う → その1人のために作り直せばいい(宛先が1人なら形も変わります)
  • 複数から催促が来る → 読まれていました。自動化して正解です

⚠️ 「止めていいか」を会議で聞かないでください。会議で聞くと、誰も「要らない」と言いません。責任を取りたくないからです。黙って止めて、反応を見るほうが早く、正確です。

AIを入れる前に、1つだけ

自動化しようとしている作業について、「先月、それについて質問は何件ありましたか」と聞いてください。

ゼロ件なら、自動化ではなく廃止の候補です。

次回

次は、承認が5段階あるという話です。「誰が決めたんですか」と遡ると、たいてい誰も答えられないところに行き着きます。


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