隔週の金曜日、30分の1on1です。
課長が聞きます。「最近どう?」
部下が答えます。「特にありません。順調です」
「困っていることは?」「今のところ大丈夫です」
5分で終わります。残りの25分は、それぞれの席に戻って仕事をします。2週間後も、同じやり取りになります。
「特にありません」は、うそではない
部下の側から見ると、「特にありません」はたいてい本当です。
いま手が止まるほど困っていることは無い。困っていたら、1on1を待たずに相談している。だから、聞かれても出すものがありません。
課長の側から見ると、話が出てこないのは信頼されていないからではないか、と気になります。聞き方を変えてみたり、雑談から入ってみたりします。それでも、出てくるものは大きく変わりません。
どちらも間違ってはいません。問いが広すぎるのです。「最近どう?」には、どこからでも答えられます。どこからでも答えられる問いには、いちばん無難なところから答えるのが自然です。
毎回ゼロから始まっている

もう1つ、よくある形があります。前の回に話したことが、次の回に出てこない。
前回、部下が「来月の資料づくりが少し不安です」と言ったとします。課長は「何かあったら言って」と答え、そこで終わりました。2週間後の1on1は、また「最近どう?」から始まります。資料の話は、どちらからも出ません。
部下から見ると、前回話したことは流れたように見えます。わざわざ蒸し返すほどでもないので、黙っています。こうして、1on1は毎回、何も持たない状態から始まります。
前の回から、1つだけ持ち越す

やり方はこうです。
1. 1on1の最後の2分で、次の回に聞くことを1つ決める
2. それを、2人とも見られる場所に1行で書いておく
3. 次の1on1は「最近どう?」ではなく、その1行から始める
たとえば、こういう1行です。
来月の資料:構成案を作ってみて、どこで手が止まったか
ポイントは2つです。
1つ目は、決めるのは部下で、書くのは課長にすることです。課長が決めると、宿題の確認になります。部下が選んだことを課長が書き留めると、「覚えていてくれる」という形になります。
2つ目は、「どうだったか」ではなく「どこで止まったか」を聞く形にすることです。「どうだったか」と聞けば、「順調です」と答えられます。「どこで止まったか」には、止まった場所を1つ挙げるしかありません。止まらなかったなら、それも話になります。
持ち越すものが思いつかないとき
最後の2分で、部下が「特にありません」と言うこともあります。
そのときは、課長から1つ出して構いません。ただし、評価の話ではなく、課長が知りたいことを1つにします。
いまの仕事で、いちばん時間を取られているのはどの作業か
これは、部下の出来を見る問いではありません。課長がチームの仕事の配り方を考えるための材料です。部下にとっても答えやすく、答えたことが自分の仕事の配分に返ってくることがあります。
2回、3回と続けると、部下のほうから「次はこれを聞いてください」と出てくるようになることが多いように思います。何を持ち込んでよい場なのかが、1行の積み重ねで分かってくるからです。
月曜に、1つだけ
次の1on1の予定を、カレンダーで確かめてください。
その予定の説明欄が空なら、前回の1on1で部下が言ったことを、思い出せる範囲で1行書いてみてください。
思い出せなければ、次の回の最後の2分を、持ち越すものを1つ決める時間にしてみてください。
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