「成功」と表示されたのに、誰にも届いていませんでした

業務改善の現場から

申請が出たら担当者に通知が飛ぶ仕組みを作りました。

実行履歴を開くと、並んでいるのは緑のチェックだけです。

9/1  成功
9/2  成功
9/3  成功
 …
9/7  成功

1週間後、担当者に言われます。「その通知、一度も来ていませんけど」

緑が保証しているもの

自動化ツールの「成功」は、その手順が最後までエラーなく動いたという意味です。

通知の手順でいえば、「送る」という処理が呼ばれて、送り先から「受け付けました」と返ってきた。そこまでです。

「成功」は「送る処理が呼ばれた」までしか保証しません。「届いた」は、その先の話です。

たとえば宛先の欄が空のままでも、ツールによっては「送る相手が0人の送信」を正常に終えます。エラーは出ません。0人に送ることに成功しているからです。

失敗より、成功のほうが見落とされる

失敗より、成功のほうが見落とされる

止まった仕組みは、エラー通知を設定してあれば、すぐに気づかれます。赤い表示が出て、通知メールが来て、誰かが見に行きます。

成功した仕組みは、誰も見に行きません。緑が並んでいる画面を、わざわざ開いて疑う理由がないからです。

だから、こうなります。

エラーで止まった   → 通知があれば、その日のうちに気づく
成功のまま届かない → 誰かが「来ていない」と言うまで気づかない

気づくまでの長さが、まるで違います。しかも後者は、その間に「通知したはず」の案件が積み上がっています。

送る側の画面を、いくら見ても分からない

ここが厄介なところです。

送る側の実行履歴をどれだけ細かく見ても、「届いていない」という情報はそこに存在しません。送った側は、送ったことしか知らないからです。

確かめる場所は1つしかありません。

受け取る側の画面を、実際に開いて見る。

担当者の受信箱、投稿先のチャネル、書き込まれるはずの一覧表。そこに1件、実物があるかどうか。

完成の条件を、1行変える

完成の条件を、1行変える

自動化を作ったときの「完成」を、こう決めておくと防げます。

よくある完成の条件 変えたあとの完成の条件
見る場所 作った人の実行履歴 受け取る人の画面
見るもの 緑のチェック 届いた実物1件
誰が見るか 作った人 受け取る人と一緒に

作った人が、受け取る人の隣で1回テストを流す。画面に出たのを2人で見て、それで完成です。5分で終わります。

通知・投稿・送信を含むものは、全部同じ

この形は、通知に限りません。

  • 共有フォルダへの自動保存
  • 一覧表への自動転記
  • チャットへの定期投稿
  • 取引先への自動メール

「どこかへ出ていく」処理は、すべて同じ穴を持っています。出ていく先を見に行かない限り、成功の表示は何も証明しません。

週明けに、1つだけ

いま動いている自動化の中から、通知か転記を含むものを1つ選んでください。

そして、受け取る側の画面を開いて、直近の1件を探してください。

見つかれば、それで終わりです。見つからなければ、その仕組みは緑のまま止まっています。実行履歴を何か月さかのぼっても、そのことは書かれていません。


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