「持ち帰って検討します」が、3回続いていませんか

業務改善の現場から

毎週の定例会議です。先週から持ち越しの議題が1つあります。

担当者が状況を説明し、何人かが意見を言います。15分ほどたったところで、誰かが言います。

「では、いったん持ち帰って検討します」

翌週、同じ議題が出ます。説明があり、意見が出て、また持ち帰りになります。3週目に入ったところで、誰も議題の最初の目的を思い出せなくなっています。

持ち帰ったあと、何を検討するかが決まっていない

「持ち帰る」と言った時点では、全員が「誰かが続きをやる」と思っています。

ところが、会議が終わると次のような状態になりがちです。

  • 誰が持ち帰ったのか、はっきりしていない
  • 何を調べれば決められるのか、言葉になっていない
  • 次の会議までに何を持ってくればよいのか、決まっていない

この3つが空いたままだと、持ち帰った人は何をすればよいか分かりません。結局、翌週の会議の直前に資料を少し直して、同じ説明をもう一度することになります。

持ち帰りが続くのは、検討が足りないからではなく、検討の中身が決まっていないからということがあります。

「検討します」には、2種類ある

「検討します」には、2種類ある

会議で出る「持ち帰ります」は、たいてい次のどちらかです。

① 決めるための材料が足りない   → 何かを調べれば決められる
② 決める人がこの場にいない     → 材料は揃っているが、決める権限が無い

①なら、足りない材料の名前が言えるはずです。「去年の件数が分からない」「隣の部署の予定を聞いていない」。名前が言えれば、来週までに調べられます。

②なら、材料を集め直しても決まりません。必要なのは、決める人に持っていくことです。それなのに、②を①と取り違えて資料を厚くし続けると、決まらないままになりがちです。

どちらなのかを会議の場で確かめないまま「持ち帰ります」と言うと、翌週も同じ場所に戻ってきます。

持ち帰るときに、2つだけ決めてから閉じる

持ち帰るときに、2つだけ決めてから閉じる

持ち帰ること自体が悪いわけではありません。その場で決めないほうがよいこともあります。

持ち帰るなら、会議を閉じる前に2つだけ決めます。

1. 何が分かれば決められるか(足りない材料の名前)
2. 誰が決めるか(この会議か、ほかの誰か)

たとえば、こう言葉にします。

「来月から受付を1か所にまとめるかどうか。去年の月ごとの件数が分かれば決められる。件数は田中さんが来週までに出す。決めるのはこの会議」

「この件は、予算が絡むので部長が決める。材料は今日の資料で足りている。来週の部長会に、課長が持っていく」

1つ目の例は、来週の会議で件数を見て決めます。2つ目の例は、この会議ではもう扱いません。どちらも、翌週に同じ説明を繰り返しにくくなります。

2つが言えないときは

「何が分かれば決められるか」を聞いても、誰も答えられないことがあります。

そのときは、議題そのものがまだ決める段階にないのかもしれません。「何を決めたいのか」が人によって違っている場合です。ある人は「やるかどうか」を、別の人は「いつからやるか」を話している、ということがよくあります。

その場合は、持ち帰るのは結論ではなく、問いの形です。「この議題で決めたいのは何か」を1行で書いて、次の会議の冒頭で確かめます。問いがそろえば、必要な材料もはっきりします。

月曜に、1つだけ

次の定例会議で「持ち帰ります」が出たら、閉じる前にこう聞いてください。

「何が分かれば、決められますか。決めるのは、この会議ですか」

答えを議事録に1行で残します。翌週の会議は、その1行を読むところから始めます。


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