休みの日に、携帯が鳴る。
出てみると、確認の電話です。5分で終わる話です。5分で終わるからこそ、かかってきます。
その5分は、たいした負担ではありません。問題は別のところにあります。その電話がかかってくること自体が、1つの情報だからです。
「聞かれる」の中身は、3つに分かれます
同じ電話に見えて、中身はまったく違います。
| 何を聞かれたか | 何が足りないか | |
|---|---|---|
| 場所 | 「あのファイル、どこでしたっけ」 | 置き場所が共有されていない |
| 手順 | 「これ、次どうするんでしたっけ」 | やり方が書かれていない |
| 判断 | 「これ、進めていいですか」 | 決める人が決まっていない |
上の2つは、書けば減ります。手間はかかりますが、方法は分かっています。
問題は3つ目です。
判断は、書いても減りません
「判断基準をマニュアル化しよう」という話は、よく出ます。そして、たいてい途中で止まります。
理由は、判断が必要な場面は、書いてある条件に当てはまらないからです。当てはまるなら、それはもう手順です。
だから、判断について書くべきことは基準ではありません。こちらです。
この件は、誰が決めるか
⚠️ これは1行で書けます。そして、1行書くだけで電話は減ります。「進めていいですか」の電話は、判断を求めているのではなく、決める権限が自分にあるか分からなくてかかってきているからです。
休みの日は、いちばん正確な計測です
平日は、聞かれても気づきません。隣にいるので、質問は会話に紛れます。
休むと、それが全部「連絡」という形で見えます。
これまで、大手金融グループや上場メーカーで約150の業務を見てきましたが、うまく回っている業務と止まる業務を分けていたのは、担当者の優秀さではありませんでした。「担当がいないとき、誰が決めるか」が決まっているかどうかでした。
優秀な人ほど、その1行が無くても回してしまいます。だから、優秀な人がいる業務ほど、その1行が無いまま何年も進みます。
そして、これはAIの話でもあります
いま、AIを業務に入れる相談が増えています。
そこでいちばん多い止まり方は、技術の問題ではありません。「AIが出した答えを、誰が承認するのか」が決まっていないことです。
決まっていないと、こうなります。
- 出力を毎回、担当者が全部見る
- 結局、自分でやった方が速い
- 使わなくなる
AIを入れる前に空いていた席が、AIを入れると急に目立ちます。これまでは担当者が黙って埋めていた席だからです。
週明けに、1つだけ
先週、休みの日に連絡が来た件があれば、それを1つ思い出してください。
そして、その件の判断を、最終的に誰に戻すかを1行だけ書いてください。マニュアルは要りません。紙1枚に1行で十分です。
書けなかったとしたら、それはあなたが決めているということです。⚠️ それ自体は悪いことではありません。ただ、そう書いておかないと、あなたが休んだ日に誰も決められません。
休みの日に鳴る電話は、その1行が無い場所を教えてくれています。
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