腕はあるのに引き継げない──属人化の正体|AI活用タイプ「職人」

AI活用Tips

こんな覚えはないでしょうか。

  • 仕事の質は高いと自負している
  • そのやり方は、自分の経験の中にしかない
  • 「見て覚えて」と言ってしまうことがある

当てはまるなら、あなたは職人タイプです。工房には、腕と道具があります。足りていないのは、弟子です。

これはAI活用の適性を分ける4つの軸のうち、HCKM の組み合わせにあたります。

職人の強みは、消してはいけない

手が仕事を覚えている。品質のばらつきが小さく、難しい案件ほど強い。「これはこう」と即断できるのは、経験が体に入っているからです。

AI活用の話は「やり方を改めましょう」から始まりがちです。工房を畳めという話ではありません。 この型で回っている仕事が、実際にあります。

詰まるのは、性格ではなく組み合わせ

「見て覚えて」が通じる相手が、もういない。あなたは自分で抱え(C)、感覚で決め(K)、手を動かして解決します(M)。3つとも品質には効きますが、どれも人に渡す経路を持っていません。記録も残していない(H)ので、工房の技術は工房の外に出ません。

実際、こういうときに出ます

たとえば、取引先ごとに違う書式のデータを整えるとき。あなたは見た瞬間に「これは全角だから直す」「この列はずれている」と分かって、10分で片づけます。新しく入った人に同じことを頼むと、何倍も時間がかかり、しかも取りこぼしが出ます。違いは能力ではなく、あなたの手が覚えている例外の数です。

なぜ、今まで直らなかったのか

「見て覚えて」は、あなたが教わった方法でもあります。その方法で身につけた人が、その方法を疑うのは難しい。しかも工房は忙しく、教えるより自分でやったほうが早い日が続きます。技術の問題ではなく、時間配分の問題として構造化されているので、意識では変わりません。

最初の一歩

道具の使い方だけ、先に書き出す。技術そのものではなく、「どこを見るか」を箇条書きで3つ。AIに口で説明して起こさせれば十分です。技術は継げなくても、着眼点は今日から継げます。

そのまま使える指示文

AIに貼り付けて使えます。{work} のような箇所は、自分の仕事名に置き換えてください。

私の仕事は「{work}」です。この作業で、私が無意識に確認しているポイントを引き出したいです。
「どこを見ていますか」「それはなぜですか」と、私に5回質問してください。答えを踏まえて、着眼点だけの箇条書きを3つ作ってください。手順の詳細は要りません。

あとで、これで確かめる

1か月後、その3つを新しい人に渡して作業してもらう。仕上がりの差が縮んでいれば効いています。差が残った箇所が、4つ目の着眼点です。

4つの軸それぞれの、使いこなし方

職人タイプは HCKM の4つの極でできています。軸ごとに、効く使い方は違います。

  • 仕事の覚え方:覚えておく … 頭の中を、口で説明してAIに書かせる
  • 仕事の抱え方:自分で抱える … AIに自分の判断を「説明させて」みる
  • 決め方:感覚で決める … AIに「なぜそう決めたか」を言葉にしてもらう
  • 手の動かし方:手を動かす … 「これ毎回やってる」と思った瞬間にAIに聞く

逆に、やらない方がいいこと

品質基準を渡さずにAIへ任せること。あなたの基準が抜けた成果物は、あなたが最も嫌う出来になります。確認を飛ばさないでください。

まとめ

AI活用の話は「やり方を改めましょう」から始まりがちです。工房を畳めという話ではありません。
詰まっているのは性格ではなく、HCKM という組み合わせの帰結です。だから気合いでは動きません。腕は落とさなくていい。渡すのは、腕ではなく着眼点です。

このタイプの話は、30秒の動画にもしています → 職人タイプ(YouTube)

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