全員に同じAI研修をしたら、差が広がりました|使える人が増えないのは、研修の中身ではなく順番の問題

企業でのAI活用

全社員向けに、2時間のAI研修を実施しました。内容は丁寧で、アンケートの満足度も高い。

3か月後、利用状況を見るとこうなっていました。

研修前から使っていた人   → さらに使うようになった
研修で初めて触った人     → ほとんど使っていない

使える人が増えたのではなく、使える人と使えない人の差が広がっていたのです。

研修で伸びる人は、研修の前から決まっている

研修のあとに使い始める人には、共通点があります。

研修を受ける前から、「これに使えないか」と思っている業務を持っている。

こういう人は、研修の説明を聞きながら、頭の中で自分の業務に当てはめています。帰ったらすぐ試し、試したら次の使い方に気づきます。

一方、持ち帰る業務が無い人にとって、研修は「便利そうな話」で終わります。翌日の業務には、AIを使う場面が見当たりません。使う場面が無いものは、2週間で忘れます。

⚠️ これはITが得意かどうかとは、あまり関係がありません。「自分の仕事のどこに時間がかかっているか」を言葉にできているかの差です。

同じ研修は、同じ効果ではない

同じ研修は、同じ効果ではない

全員に同じ研修をすることは、公平に見えます。ただ、効果は同じになりません。

研修前 研修で得たもの 3か月後
持ち帰る業務がある人 使い道を持っている やり方 使い道が増える
持ち帰る業務が無い人 使い道を持っていない やり方 使い道が無いまま

研修が渡しているのは「やり方」だけです。使い道を持っていない人には、やり方を渡しても置き場所がありません。

研修の前に、1枚だけ書いてもらう

研修の前に、1枚だけ書いてもらう

順番を1つ入れ替えます。研修の1週間前に、次の1枚を書いてもらいます。

1. 先週の仕事で、いちばん時間がかかった作業は何ですか
2. その作業は、毎週(毎月)ありますか
3. その作業のうち、「考えている時間」と「手を動かしている時間」はどちらが長いですか

3つとも答えるのに10分かかりません。ただ、書けない人がいます。書けない人がいること自体が、研修より先に分かるべき情報です。

書いた1枚は、研修当日に手元に置いてもらいます。講師は説明のたびに、「いまの使い方を、書いてきた作業に当てはめるとどうなりますか」と聞きます。

これで、研修の2時間が「便利な話」から「自分の作業の練習」に変わります。

書けなかった人には、研修より先に要るものがある

1枚を書けなかった人に、同じ研修を受けてもらっても、結果は変わりません。

この人たちに先に要るのは、自分の業務を言葉にする時間です。

  • 1週間、30分単位で何をしていたかを書き出す
  • 上司と15分、「どこに時間がかかっているか」だけを話す

AIの話は一切しなくて構いません。使い道が1つ見つかってから研修を受ければ、持ち帰る業務がある人と同じ側に立てます。

月曜に、1つだけ

次に予定しているAI研修があれば、案内のメールに1行だけ足してください。

「当日までに、先週いちばん時間がかかった作業を1つ書いてきてください」

研修の中身は変えなくて構いません。持ち帰る先がある人を増やすだけで、3か月後の差の広がり方が変わります。


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